第四章 きちんと知りたい、精油のこと
第4章は「きちんと知りたい、精油のこと」です。
この章は精油のプロフィールと違い、暗記しなければならない部分は非常に少ないです。精油の作用名(鎮痛作用など)は覚える必要がありますが、後はしっかり理解すれば考えて解ける問題ばかりです。
例えば、精油が持つ特徴に関する問題文は、植物が一般に持つであろう特徴を常識的に考えれば、正解かどうか推測できます。従って、「なぜ」そうなのか、を考えるようにしましょう。
また、各種精油についての説明は第3章の精油のプロフィールに記載してあります。
この章の要点
精油の性質と植物の中で作られるしくみ、抽出法、成分の香りと作用、安全な使い方と希釈の滴数を問う章です。まず、精油は油脂ではなく揮発性の有機化合物の集合体で、芳香性・揮発性・親油性(脂溶性)・引火性の4つの性質を持つこと、天然であっても光毒性や皮膚刺激など注意が必要なものがあることを押さえましょう。次に、水蒸気蒸留法・圧搾法・揮発性有機溶剤抽出法・油脂吸着法について、何に用いられ何が得られるかを確認し、1,8-シネオールや酢酸リナリル、リモネンなどの成分の香りと含まれる精油、強壮・去痰・収れん・利尿といった作用の意味を結び付けます。そのうえで、飲用しないことや3歳未満の乳幼児への使い方、キャリアオイルに対する精油の滴数を整理すると、選択肢の正誤を判断しやすくなります。
頻出論点
- 精油の性質と植物にとっての働き — 精油は植物の二次代謝により特定の細胞で作られ、油脂ではなく揮発性の有機化合物の集合体で、芳香性・揮発性・親油性(脂溶性)・引火性を持ち、水には溶けにくくアルコールと油に溶けるとされます。植物にとっての香り成分の働きの例には、誘引効果、忌避効果、抗真菌効果・抗菌効果が挙げられています。植物油と同じ油脂である、油なので蒸発しない、天然100%なので化学物質は含まれていない、同一植物なら成分含有量はほぼ一定である(成分が大きく異なるケモタイプがある)、植物のどの部分にも含まれている、香り成分の働きの例は誘引効果だけといった記述は誤りとされる点が問われます。該当する問題: 第1回 第18問、第1回 第26問、第2回 第2問、第2回 第12問、第2回 第23問、第2回 第43問、第3回 第14問、第3回 第26問、第3回 第27問、第4回 第17問、第4回 第29問
- 精油の抽出法 — 水蒸気蒸留法はよく用いられる抽出法で、蒸発した芳香成分を冷却して液体に戻し、その過程で芳香蒸留水が取れる場合もあるとされます。圧搾法は柑橘系の果皮に用いられ、揮発性有機溶剤抽出法は石油エーテルやヘキサン等を溶剤に使って得られたものをアブソリュートと呼び、油脂吸着法は牛脂や豚脂を使うとされます。水蒸気蒸留法は熱を使わないので成分が損なわれない、芳香蒸留水はポマードとも呼ばれる、圧搾法は主に花に用いられる、アブソリュートは副生成物である、冷浸法と温浸法は揮発性有機溶剤抽出法の技術である、揮発性有機溶剤抽出法は近年ほとんど使われていないといった記述は誤りとされる点が問われます。該当する問題: 第1回 第5問、第2回 第23問、第2回 第40問、第3回 第17問、第3回 第34問、第3回 第46問、第4回 第46問
- 成分の香りと含まれる精油 — 1,8-シネオールはユーカリの主成分でユーカリプトールとも呼ばれ、ティートリーやローズマリーにも含まれるとされます。酢酸リナリルはフレッシュでややフルーティな香りで抗炎症作用があるといわれ、リナロールは多くのハーブ系やかんきつ系の精油に含まれ、リモネンには害虫忌避作用があるといわれます。ユーカリプトールをベルガプテンの別名とする、メントールをユーカリの主成分とする、リモネンをフローラルな甘い香りの成分とする、シトラールをネラールとゲラニオールの混合物とする、カマズレンを利尿作用が見られる成分とする記述は誤り(カマズレンは精油を濃い青色にする成分)とされる点が問われます。該当する問題: 第1回 第22問、第1回 第24問、第1回 第25問、第1回 第35問、第1回 第43問、第2回 第39問、第4回 第17問、第4回 第30問
- 精油の作用の例 — 鎮静作用は神経系の働きを鎮めてリラックスさせる作用、強壮作用は身体を活性化し強くする作用、去痰作用は痰の排出を促す作用、収れん作用は皮膚を引き締める作用、利尿作用は尿の排泄を促す作用とされ、鎮痛作用や保湿作用、ホルモン調整作用も精油の作用の例に挙げられているとされます。収れん作用を皮膚に潤いを与える作用とする、鎮静作用を身体を活性化し強くする作用とする、作用の例は全部で5種類であるとする(15の作用が例に挙げられている)記述は誤りとされる点が問われます。該当する問題: 第1回 第25問、第1回 第33問、第2回 第40問、第3回 第25問、第4回 第30問
- 安全な使い方と光毒性 — 原液を直接皮膚につけない、飲用しない、火気に注意する、子どもやペットの手の届かない場所に置く、3歳未満の乳幼児には芳香浴以外で用いないことが正しいとされます。柑橘系の精油に含まれることがあるベルガプテンはフロクマリン類の成分で光毒性があり、紫外線を受けると皮膚に炎症や色素沈着が起きるおそれがあるとされ、ペパーミントやティートリーは皮膚刺激に注意が必要な精油とされます。精油を希釈して内服する、3歳未満の乳幼児をトリートメントする、天然の物質なので安全である、光毒性を起こす代表的な成分はリモネンである、ベルガプテンに強壮作用があるとする記述は誤りとされる点が問われます。該当する問題: 第1回 第21問、第1回 第24問、第2回 第6問、第2回 第26問、第2回 第39問、第3回 第10問、第3回 第26問、第4回 第2問、第4回 第14問、第4回 第27問
- 希釈濃度と滴数 — キャリアオイル30mlに精油6滴、50mlに10滴で1%の濃度になり、精油1滴は0.05mlとして計算するとされます。全身浴は精油1〜5滴(5滴以下)を無水エタノール5mlに混ぜてからお湯に加え、半身浴、部分浴(手浴・足浴)、吸入は3滴以下とされ、出来上がり約30mlのトリートメントオイルでは、精油はボディ用で合計6滴まで、フェイス用で合計3滴までとされます。3種類の精油を各3滴ずつ30mlのキャリアオイルで希釈する(合計9滴になり目安を超える)、精油1滴を0.5mlとして計算する、フェイシャルスチームで精油を10滴以上使う(1〜3滴)という記述は誤りとされる点が問われます。該当する問題: 第1回 第43問、第2回 第31問、第4回 第35問、第4回 第41問、第4回 第42問
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